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「基本動詞16で、英語はなんでも話せる」は!大ウソ!
2018年8月 1日 西巻尚樹
「基本動詞16でなんでも話せる」!?
「基本動詞16でなんでも話せる」と言い
be, have, do, make, get, give, put, take, keep, let, go, come, seem, say, see, send
このような短い動詞を、基本動詞と呼んで
「基本動詞○○語で英語は表せる」
という言い方をしている人がたくさんいます。
けれども、これは暴論です。そして、このような人たちは「日本語には、英語のような基本動詞がない」と言っている場合もありますが、これも、「日本語文法」を勉強したこともない人が、不十分な英文法(現行の英文法)の分析を根拠に言っており、「英語」の優位性を強調するための戯言に過ぎません。
「英語の基本動詞 」にあたる言葉は、 日本語の「である」 「がある」「する」「やる」「くる」「える」「あげる」「おく」「とる」「しておく」「させる」「いく」「くる」「みえる」「みる」などの「補助用言(補助動詞・補助形容詞)」や、「れる・られる・ない・らしい・ようだ・う」などのような日本語助動詞で表しています。
「英語の基本動詞」は、日本語では 補助動詞(補助用言)や助動詞」と呼んでいるので、その対応関係に気付けないだけなのです。
「する」「ある」「やる」「くる」「いく」などの「補助用言」を使えば、ほとんどの日本語が表せる」
と言っているのと同じことを言っています。
「当たり前」なことなのですが、だからといって、これが分かったからといって、日本語がすぐに適切に使えるようになるかと言うと、「そんなことはとっても無理!」と言うことになります。
また、そのような人達は「英語は、他のいろいろな動詞を使わなくても、基本動詞の表現に言い換え(還元)ができる」と言っているのが普通です。
例えば「私は外国に一人で行きたい」を英語にするとき
I want to go abroad alone. と「たい」を特定の意味を持っている個別動詞「want 」を使わずに、 have を使えば表せます!
I have a good mind to go abroad alone. で表現でき、
「私は外国に一人で行きたくない」は、
I don't want to go abroad alone. ⇔ I have no mind to go abroad alone.
で表せます。
ですから、 have は万能なんです!
また、「私は飛行機を見るのが好きだ」を
I like watching planes. の like を be fond of で言い換え
I am fond of watching planes. と言えるから、
be は万能なんです!
となります。
(^J^)
want や like のような個々の動詞が、 have □□ や be □□ のような基本動詞に言い換えられるのを、「基本動詞万能論」はその根拠としています。
だから、以下のような「have や be を使った言い換え表現」も「同じ意味を表せる」と説明しています。
You are a dreamer. --- You are dreaming.
I jog. --- I am jogging.
You teach well --- You are a good teacher. --- You are teaching well.
You cook well --- You are a good cook.
You speak Japanese well --- You are a good speaker of Japanese. --- You are speaking Japanese well.
I travel. --- I am a traveler.
I love music. --- I am a music lover
You listen well. --- You are a good listener.
You eat much. --- You are a big eater.
左の動詞表現は、be □□ で表せるから、 be は万能 ⇒ be の使い方を覚えればよい
ことはそんなに単純でないのは、皆さんもご存じでしょう。 右側のbe を使った文の意味を理解するためには、左側の具体的な動詞の意味が分かってなくてはなりません。
そもそも、上記の文の組み合わせは「ほぼ同じ意味」ではありません。似てはいますが「かなり別の意味」を表しています。各々の表現の意味の違いをきちんと分けて理解しなくてなりません。
そもそも、英語の理解と運用を優しくするためだったはずの、基本動詞万能論の考え方が、むしろ、話をどんどん難しくしています。
そして、□□ のところに現行の英文法では、名詞・形容詞(補語©)、 doing (進行形)、done/ -ed (受動態)、の4通りしか説明されていませんが、本当は、前置詞句・副詞・to-不定詞・"a do"、接続詞、疑問詞など、あらゆる種類の言葉が使われています。
つまり be の使い方は英語全般に関わり、ほぼ無限とも考えられる使い方があります。 be に限らず、 have や get や make なども、 have □□ 、get□□ 、make□□ のように□□ にいろいろな言葉を使いますから、用例は無限です。このことは大人用のちょっと厚い紙辞書を見れば分かります。数ページにわたって説明されています。
今の英文法では、基本動詞の理解が簡単ではないのです。
それは、
動詞中心・後ろの言葉はオマケ
という現実の英語とズレた解釈をしているからです。
(^J^)(^J^)(^J^)(^J^)(^J^)(^J^)(^J^)
もちろんVSOP英文法では、これらのいろいろな言葉の使い方が
S-V-O-Pワンパターンで
理解できます。
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新刊書「世界で一つだけのVSOP英語教科書(仮題)」より