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ワンパターンにならないための One Pattern

pattern とは

「一定の型や様式」を指し、また「これに従って、何かを作る」

という意味も表します。

VSOP英文法で言う One Pattern とは、SVOP という語順規則のことです。

{Sが-Vする/なる/であるのは-Oに対してで}- [それは] Pで です。

という

「言葉の働きの語順が、一つのパターンになっている」

と考えています。

通常

「あいつはワンパターンなことしか言わない」

と言う場合は

「なんか~みたい」 とか 「私が思うにですね___」

のように

「まったく同じフレイズを繰り返す」

という意味で使っていますが、このような意味でのワンパターンではありません。

例えば、「超~ィヤダ」のような言葉を、繰り返し繰り返し言っていると

「ワンパターンな表現」になり馬鹿っぽく聞こえます。


これは、日本語に「強める言葉が少ない」せいで

絶対嫌だ 本当に嫌だよね とても嫌だ。 死ぬほど嫌だ

ナス嫌だゴニャ(2チャン語?不明)

少し嫌だ なんか嫌だ ああ嫌だ もぅ嫌だ

嫌だ嫌だ

など、「嫌だ」に付ける言葉があまり多くありません。


これは、

日本語は気持ちを表す部分が、文の最後に言うから

なのと、

気持ちをあからさまに強く言うのは避ける傾向があるから

です。


最近の日本語の口語の使い方は、英語の影響を受けたのか、
「話し手の判断」を先に言う傾向があります。

典型的なのが「コギャル語(古いか?)」と呼ばれている日本語の使い方のようです。

超~ヤダ、            ⇒ 「話し手の判断」を先に言って

勉強って              ⇒ 「その対象」を言い

だって、つまんないんだもん!  ⇒ 「その説明」を最後に言います。

これは、英語の語順そのものです。

英語は「コギャル語」式の発話と同じ語順なのです。


※このような語順の言葉を「コギャル語」と呼ぶのは適切でないかもしれません。なぜなら、今の若者はほとんどこの語順で喋っているようなので、「今様語」と呼ぶべきかもしれないからです。

そもそも「コギャル」の定義がはっきりしませんし、もう死語になっているかもしれません。

定義のはっきりしない言葉を使うのは良くないのですが、適当な言葉が見あたらないのでご容赦ください。


英語は「話し手の判断をまっ先に言う言葉」なので、言い方がたくさんある

それに対して英語では、「嫌だ」は

It is disgusting.

と表しますが、通常、is  と disgusting の間にいろいろな言葉を入れて使います。

ホントに嫌だ。

赤字の 言葉は、個々の意味が違うのでニュアンスは違いますが、ほぼ「ホントに嫌だ」という意味になります。

It is very disgusting.      十分に、大いに

It is indeed disgusting.     実に

It is truly disgusting.      ほんとうに

It is certainly disgusting.    確かに

It is actually disgusting.     実際に

It is seriously disgusting.    本気で

It is really disgusting.      ほんとうに

It is plain disgusting.      明白に

It's generally disgusting.    大体

It is positively disgusting.    まったく

It is considered disgusting.   よくよく

It is frankly disgusting.     明白に

It is ordinarily disgusting.   通常的に

とても嫌だ。

It is so disgusting.         非常に

It is beyond disgusting.     予測以上に

It is pretty disgusting.      非常に

It is quite disgusting.       完全に

It is absolutely disgusting.    絶対的に

It is thoroughly disgusting.    完全に

It is utterly disgusting.      すっかり

It is incredibly disgusting.    信じられないくらい

It is totally disgusting.      全体的に

It is completely disgusting.   完全に

It is downright disgusting.   徹底的に、まったく、完全に

It is extremely disgusting.   非常に

It is bloody disgusting.     血のように ⇒ 〈英俗〉〔強意語〕ひどく、全く

It is unbelievably disgusting. 信じられないくらい

It is particularly disgusting.  とりわけ

件の「超~ヤダ」は、文字通り

It is super disgusting!

※ hyper-  は「…を越えた」「過度に」「非常な」という意味の言葉ですが、

接頭語なので × It is hyperdisgusting! とは使わないようです。

その他の意味を付け加える場合

It is still disgusting.       まだ

It is equally disgusting.     等しく

It is simply disgusting.     単に

It is just disgusting.       単に

it is morally disgusting     おそらく

It is too disgusting.       非常にヒドすぎる[ので~できない]

少し嫌だ

It is a bit disgusting.    ちょっと

It is a tad disgusting.    ちょっと

It is rather disgusting.    幾分

It is somewhat disgusting.  どことなく

卑俗な言い方

※ 映画やブログで使われているが、汚い言葉なので日本人は使わない方がよい。

It is soooo disgusting.    so の冗談的強調表現

It is fucking disgusting   〈米俗・卑〉[強意語]ひどい、とんでもない、いまいましい

It is freaking disgusting.   〈米俗・卑〉[強意語]いまいましく、ひどい

など、気持ちを強める言葉がたくさんあります。


これらをVSOP英文法的に理解すると

It is [Mid] disgusting.

[Mid] は、「middle position(中位)」の略号で

「補助的な判断」を表す言葉を使う位置です。

「判断の内容を表す言葉」 disgusting (実にいやだ) の前に
「その程度を表す補助的な言葉」を言います。

※[Mid] に使う言葉も、実は「品詞の制限がない」のですが、それに言及すると話が終わらなくなるのでここでは止めておきます。

ご興味がお有りの方は「英語力―世界初 熟語が分かる英語教科書」をお読み下さい。


このような気持ちを先に言っておいて、更に、きちんとした内容のある文にするには、

It is [Mid] disgusting. という「話し手の判断」の後ろに

「判断の対象語(O)」を、of you と for me  とかを言い、

それらの言葉を主語にして、その内容を 後ろに to do …で続けます。

【用例】

It is [Mid] disgusting of you to use such a statement to justify your comments.

It is [Mid] disgusting for me to see Japanese people struggling in the chains of the grammar.

【直訳】

嫌なのは、あなたに関して、[それは]そのような言い方を使うこと、あなたの解説を正当化するために。嫌なのは、私にとって、[それは]日本人がもがいているのを見ること、現行の英文法の鎖の中で。


・of you の場合は、

「あなたが~することに対して、私(発話者)から見て、あなたが disgusting(嫌だ)と思える」

という判断を表し

・for me の場合は、

「私が~することが 、私(発話者)にとって disgusting (嫌だ)」

という判断を表します。

It is [Mid] disgusting. というように「最初に言う部分」は、常に「話し手の判断」です。

話し手の判断に品詞の制限は無い

It is  □□.  は「話し手の判断だけを先に言う」表現ですが、

□□ には「いろいろな種類の言葉」を使います。

話し手の判断を言うのに「品詞の制限がある」ハズはないのです。

 

  1. It is a shame for me to see Japanese people struggling  in chains of the grammar.
  2. It is painful for me to see Japanese people struggling in chains of the grammar.
  3. It is with deep regret for me to see Japanese people struggling in chains of the grammar.
  4. It is out of question for Japanese people to be struggling in chains of the grammar.
  5. It is embarrassing for me to see Japanese people struggling in chains of the grammar.
  6. It is forbidden for me to comment on the issue.

【直訳】

  1. 気の毒と思えるのは、私にとって、[それは]日本人がもがいているのを見ること、現行の英文法の鎖の中で。
  2. つらいのは、私にとって、[それは]日本人がもがいているのを見ること、現行の英文法の鎖の中で。
  3. 深い落胆を伴っているのは、私にとって、[それは]日本人がもがいているのを見ること、現行の英文法の鎖の中で。
  4. 問題外なのは、日本人にとって、[それは]もがいているようになること、現行の英文法の鎖の中で。
  5. 困ったことなのは、私にとって、[それは]日本人がもがいているのを見ること、現行の英文法の鎖の中で。
  6. 許されていないのは、私にとって、[それは]この問題に言及すること。

上記の It is □□....  の  □□ に使われている言葉の品詞

  1. 名詞
  2. 形容詞
  3. 前置詞句
  4. 副詞[句]
  5. doing :現在分詞形(embarrassing は、形容詞に変化したと説明される)
  6. done/ -ed :過去分詞形

★★★「いろいろな品詞の言葉」が「同じように使われる」わけですから、

「品詞によって分類をしようとすること」には無理があります。

面倒くさいので

「熟語(イディオム)」「慣用表現」

と呼ぶことになるのです。

が、


◆ 熟語(イディオム)とは

ところで、「熟語:idiom(イディオム)」の意味はご存じですか。

1. fixed expression with non-literal meaning: a fixed, distinctive, and often colorful expression whose meaning cannot be understood from the combined meanings of its individual words, for example, “to have somebody in stitches”
2. natural way of using a language: the way of using a particular language that comes naturally to its native speakers and involves both knowledge of its grammar and familiarity with its usage
ーEncarta(R) World English Dictionary (C) & (P) 1999,2000ー


一言で言えば、熟語(イディオム)とは

「文字通りの意味から離れて特殊な意味になった言葉の使い方」

です。

上記の【直訳】を見て頂ければお分かりのように、これらは「文字通りの意味」で使っている表現です。

つまり、

「英語のロジックに従って使っている普通の表現」

で、

上記の例文は、皆きちんと SVOP になっています。

けっして、熟語(イディオム)でありません。


[参考]: It's ~ for ... to do …の表現に関しては『世界に1つだけの英語「to」だけでここまでわかるのか!』で詳説しています。ご参照下さい。


英語は同義表現がたくさんある

そもそも「嫌だ」という意味を表す語句もたくさんあります。

do not like; dislike; hate; detest;

《形式語》 abhor

《口語》 {be in} {get into} somebody's bad/black books

{be in}  {get into} somebody's bad graces.

※{ }内の言葉は入れ替えて使えます。

アルクの「英辞朗 on the web」 に「嫌だ」と入力してみるとたくさんの表現が出てきます。


「何故、このようにいろいろな表現があるのか」と考えた場合

◆ 「英語は、話し手の判断を真っ先に言う」から

という答えしか私には見あたりません。

「~はいいですね」とか「~は好きだよ」、「~は嫌いだ」というように

「話し手の判断」になる部分を先に言うので

いろいろな表現がないと「発話者自身が、ホントに馬鹿っぽく感じるようになる」から

としか考えられないからです。

これが、VSOP英文法の「SVOP」という考え方から出てくる解釈です。

英語が、「品詞によって区別して使っている」わけではないという現実から考えると、
主語の直ぐ後ろの言葉は「話し手の判断・気持ちをいう場所」
というように「言葉の働き」で考えざるを得ません。

現行の解釈

このような、It's ~ for ... to do …の表現を「 it の仮主語/形式主語」と呼んで

to-不定詞以下を「本主語の名詞的用法」と説明します。


★★★ いわゆる「ワンパターン」にならないよう

いろいろな種類の言葉を使い分けて
「話し手の判断」を表すようになっているだけなのです。

英語は「同じ言葉を繰り返して言うことを嫌う言葉」です。

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