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中国の英語に be動詞が無い!

★中国の英語事情

先般、新宿の大型家電量販店で何人かの中国人店員と話してきました。

中国では be動詞は無視 しているそうです。

彼女らは、中国人観光客の案内が主な仕事のようですが、皆とても日本語が上手で、
私の日本語でのカメラの質問にも的確に答えられ、客を引きつける話術も巧みでした。

あまり日本語がうまいのでいろいろ聞いていているうちに、
中国での英語学習事情についても聞くことができました。

中国語と英語は語順が同じ

まず、当たり前なのですが、

「語順が同じで『述語が先』なので、理解するのに苦労していない」

とのことです。

「中国語の言葉を、そのまま英語に換えればたいていは通じる」

そうです。

「ただ、中国語の動詞には『過去形』がないので、英語の過去形を覚えるのが面倒だ」

そうです。

中国語も「述語」がある

ここで、気になったのが『述語』という言葉でした。

「中国語の文法でも『主語・述語』というんですか?」

と私が聞くと

店員:   「中国語も、日本語と同じように『主語・述語』と言いますよ。

日本語学校で、日本語を習ったとき、日本語文法で『主語・述語』と習いましたが、
中国語も同じ考え方としています。

ただ、日本語は述語が最後になり語順が反対なので、慣れるまで大変だったですよ」

私:「というと、中国語も

『何がどうする』というように動詞を述語に使った言い方と
『何が何だ』という名詞を使った述語と
『何がどんなだ』という形容詞を述語にした言い方と
3種類あるのですか?」

店員:   「そうですよ。日本語と同じですよ」

私:「じゃあ、中国での英文法も

『何がどうする』というように動詞を述語に使った言い方と
『何が何だ』という名詞を使った述語と
『何がどんなだ』という形容詞を述語にした言い方と
3種類になっているのですか?」

店員:「そうですよ。中国語と同じですよ」

私:「じゃあ、『私は忙しい』って中国でどう言うの?」

店員:「我忙 wo( ma'ng.」

私:「英語で I am busy. って言うけど、I の後ろの am ってどう考えてるの?」

店員:「am なんて無視しています。中国語には無いからです。

中国語では「形容詞」を使う時、何も付けませんから、

am も無いものと考えて使っています。

それに、 am ってほとんど聞こえないし」

母語と同じに考えている

これで、長年の謎が解けました。

中国人が日本人より英語が、何故得意かということが。

自分の国の言葉と同じように英語を理解しているのです。

もちろん、「中国の音節の種類が400種以上有り、英語の1400音節に近いし
(日本語の音節は100ちょっとしかない)
語順が似ていて、同じ孤立語である」という要因もあり、
さらに国策として英語教育を盛んに行っていますが、

英語の捉え方が、母語と共通なのです。

日本では、母語と大きく異なる解釈をしている

翻って日本ではどうでしょう!?

I am busy. を今の英文法で文法的理解をしようとすると

am は「be動詞」と呼ぶ「本動詞」で、不完全自動詞

busy は「形容詞」なので「補語:C」

と教えています。

この日本語からみて不自然な文法的解釈で、どれほど多くの日本人が混乱に陥れられ、英語理解から離れていったか!

一時も早く、「be動詞を本動詞」という解釈を止めなくてはなりません。


さらに、中国では、大学の卒業資格試験で、英語があり、一定の得点が取れないと卒業できないそうです。

 英米では、be動詞を「不完全自動詞」と呼んでいない

因みに 不完全自動詞は "incomplete intransitive verb" と英語では表記しますが、
この言葉を Google ると、「165 件中 4 ページ目」と出てきますが、
全てが「日本語、韓国語、中国語」のサイトです。

一部英文のサイトがありますが、よく見ると ”__.__.jp” というURLになっています。

英米のサイトはほとんど無いようです。


なぜなら、英・米では、 be  は 現在 ”Linking Verb" と呼んでいるからです。

" Linking Verb * be" で検索してみると、「約 444 件中 10 ページ目」となり、

"Quick tip 9.2 If you can substitute a form of be for a verb and the meaning of the sentence is basically the same, the verb is probably being used as a linking

verb. The verb be and its forms are also linking verbs."

"A predicate nominative is a noun phrase that follows a linking verb, typically be or become. So in We are the champions, the NP the champions is a predicate
nominative."

"A linking verb must be followed by a complement."

のよう文が見つかります。

この "Linking Verb"という用語は、昔、"a copula:コピュラ(繋辞:けいじ)" と呼んでいた概念の現代版と思われます。

直訳すれば「繋(つな)げている言葉」になるからです。

人によっては、"Helping Verb"というような言い方をする方もいるようですが、"Helping Verb" という言葉を使うと、いわゆる「助動詞:an auxiliary verb」と区別が付きにくくなるようなので、一般的には"Linking Verb"を使っているようです。

どちらにせよ、「5文型英文法」の用語の中で重要な概念になっている「不完全自動詞: incomplete intransitive verb」という言葉は、英・米では使っていないということです。

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