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熟語(イディオム)は、慣用表現ではない。

熟語(イディオム)は慣用表現ではなく★英語の基本ロジック★で、組み合わせて使っています。

現在の日本の英語学習では、come on、 go on、keep on、のような「組み合わせた表現」を、「熟語(イディオム)」とか「句動詞」として「日本語的な意味」を覚えるようになっています。

受験用の「熟語集」では、come on は「来い」、go on は「続く」、keep on は「続く」などと書かれています。

ところが、ご存じのように辞書にはもっとたくさんの意味が書いてあります。

※文末の「★辞書のからの引用」の部分をみてください。

ご自身のお持ちの辞書でも調べて見てください。

また、ネットで検索を掛けると、いろいろな方々が、「いろいろな意味で使う」とブログなどで説明しています。


一つの熟語(イディオム)が、何故「たくさんの意味」になるのでしょうか?

これらの組み合わせた表現を「慣用表現」とか「決まり文句」として覚えられるでしょうか?

私も若い頃に、これらの表現を「熟語(イディオム)」、「句動詞」として、意味を一生懸命覚えようとしました。

もちろん、ダメでした。

そして「自分は記憶力が悪いから、英語の勉強は無理だ」とずいぶんと悲観したことを覚えています。


VSOP英文法を開発していく中で、特に「英語順!しゃべれる英文法」を書いている中で、

「これらの組み合わせた表現を、熟語(イディオム)として、特定の日本語の意味を丸覚するのは不可能だ」

ということに行き着きました。


なぜなら、come on、 go on、keep on、のような表現は、これらの部分だけで「日本語的な意味」が決まるのではなく、「後ろの言葉」が日本語的な意味を大きく変わることが分かったからです。

もう一つ分かったのは、「日本語的な意味の中心は、動詞が表しておらず、on  が表している」ということです。


基本単語の意味

on は「~ (という事態の表面)にくっついて、付着している」という意味ですが、

come は「~の状態になる」、

go   は「~の状態で動いていく」

keep は「~の状態であり続ける」

 

という意味を表しているので、

全体で

・come on       「on の状態になる」

・go on         「on の状態で動いていく」

・keep on       「on の状態であり続ける」

 

ということだけを表しています。

ですので、come on 、go on、keep on だけでは「日本語的な意味が決まらず、これらの後ろの言葉が、日本語的な意味を決めている」のです。


動詞の部分は、on になっている時の「様子を表している」だけなのです。

つまり、

「on が意味の中心」で「動詞は、on している時の様子を表す補助語

ということになります。


このような結論が出てきたのは、VSOP英文法を作るに当たって協力してくれたバイリンガル・スピーカー達のお陰です。

彼らが言うには

「on のような言葉(副詞[的小辞])は、動きを表す『動作語』」

「動詞は、動きの様子を表す『様子語』」

だそうです。

このようなことを言われた時、私は愕然としました。

自分がそれまで持っていた「文法的な理解」と全く違っていたからです。

日本では、通常、come on のような表現と「句動詞」と呼び

「動詞が中心」

「on のような言葉(副詞[的小辞])は、修飾語の働きをしている」

というような解釈になっているからです。

このように書くと、たいていの方は「そんな馬鹿な!」とお思いになるかもしれません。

何故なら、ほとんどの日本人が「通常、言われている解釈」を教わっているからです。

けれども、バイリンガル・スピーカーの頭の中は、我々、純日本人とは違っているようなのです。


このことを実例を示しながら説明しようとすると、本一冊分かかります。

それは、「英語順!しゃべれる英文法(あさ出版)」として出版されていますので、「ホントかな?」とお思いの方は是非ご一読下さい。

どうも、日本人は、基本動詞の意味や副詞[的小辞の働きを誤解しているようなのです。

come on、 go on、keep on、のような「組み合わせた表現」は、「熟語(イディオム)」「慣用表現」といった「固定された意味を表している」のではなく

「英語の組み合わせロジック」に従って使っています。

この「組み合わせロジック」を、SVOPというワンパターンで理解できるようにしたのが、VSOP英文法なのです。


★「研究社:New College English-Japanese Dictionary」より引用

come on

[《【自】+【副】》 a ón]

1 [命令法で] 急いで; [督促・挑戦・懇願などを表わして] さあ(行こう), さあ(来い), さあさあ, まあまあ; がんばって; [反語的に] いいかげんにしろ, よせ

2 後から来る行く

3 〈季節・夜などが〉やってくる, 近づく

4 [It を主語に come on to do で] 《英》〈…し〉始める

5 〈病気が〉襲ってくる

6 〈電灯などが〉つく, 点灯する

7 (うまく)進む, 進行する; やっていく, 進歩する, 上達する

8 〈問題が〉議論に上る, 上程される, 処理される; 〈事件が〉持ち出される; 〈裁判が〉行なわれる

9 〈俳優が〉登場する; 〈テレビ番組が〉放映される

go on

[《【自】+【副】》 a ón]

1 (さらに)〔…へ〕進む, 次の(約束の)場所へ行く; 〔次の話題・項目へ〕進む, 移る 〔to

2 (行動・関係などを)続ける; 〔仕事などを〕続ける 〔with, in

3 さらに進んで[次に]〈…〉する 〈to do〉

4 (通例好ましくない) 態度をとり続ける, ふるまう

5 〔…について〕しゃべり続ける 〔about〕; 〔人に〕小言を言い続ける〔at

6 〈事態などが〉続く; 〈ものが〉存続する

7 [しばしば ~ing形で] 〈事が〉起こる; 〈行事などが〉行なわれる

8 〈仕事などが〉(うまく)進む; 〈人が〉〔…が〕はかどる.

9 〈時が〉過ぎる.

10 (舞台に)登場する.

11 〈明かりなどが〉つく; 〈ガス・水道などが〉使えるようになる.

12 〈衣服が〉身につけられる, 〈靴などが〉はける

[《【自】+【前】》 ` on…]

13 …しに行く (⇒【自】 Ⅰ1(3)).

14 …で行く (⇒【自】 Ⅰ3(2)).

15 〈金・時間などが〉…に使われる (⇒【自】 Ⅰ5(4)).

16 〈ものが〉…に置かれる (⇒【自】 Ⅰ6).

17 〈靴などが〉…に合う

18 〈事が〉…を基にして決まる (⇒【自】 Ⅰ13(5)).

19 …(の救助)を受ける(ようになる).

20 …を用い始める

21 [通例 ~ing形で] 〈ある時刻・年齢など〉に近づく, ほとんど…になる

keep on

《【他】+【副】》

1 〈召し使いなどを〉雇っておく (⇒【他】 Ⅱ4(2)).

2 [~+目+on] (体に)〈衣服を〉つけたままでいる

3 〈家・車などを〉所有[借用]し続ける.

《【自】+【副】》

4 進み続ける (⇒【自】 Ⅰ2).

5 〔…のことを〕しゃべり続ける, 言い続ける

6 〈…し〉続ける

keep on at

1 〈人〉にうるさく言う[せがむ], …にがみがみ小言を言う.

2 〈人〉に〈…するように〉うるさく言う[せがむ]

以上「New College English-Japanese Dictionary, 6th edition (C) Kenkyusha Ltd. 1967,1994,1998」より引用

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