「話し手の判断」とは 【其の一】
VSOP英文法では、主語の後ろの言葉を「話し手の判断:判断語(Verdict)」と呼びます。
「話し手の判断[判断語(Verdict)]」というと聞き慣れない言葉なので、この言葉でVSOP英文法から引く方が多いと思っています。
もちろん、この「話し手の判断[判断語(Verdict)]」というのは、VSOP英文法が作った造語です。
初めて聞く言葉は、非常に奇妙に感じられるものです。
私自身、この言葉に慣れるまで時間がかかりました。
2~3年前に講座をしていて、「この部分の言葉の働きを考えて『判断語』と呼びますが、分かりにくいですか?」とご受講の方にお聞きしたとき、「『判断語』ねぇ~?…….むしろ、『判断語』の方が分かりやすいんじゃないですか」とおっしゃった方がいらっしゃったので、以来、「判断語」で突き進むようになりました。
けれでも、「主語の後ろ言葉」を「判断語」と名付けたのは、今ではとても良かったと思っています。なぜなら、この言葉のお陰で、全ての英文が論理的に説明できるようになったからです。
言葉は「発話者が意図する情報を相手に伝える道具」です。
事柄を表現するときには、いろいろな表現の仕方が必要です。
「私は、今、コンピューターに向かっています」
「私は、朝から、眠いです」
「私は、寝坊です」
「私は、今日 食欲がありません」
このようないろいろな表現は、前回説明した、「述語に4種類の言葉」が使われています。
(1) 何が、どうする。 ⇒動作で表す 述語に動詞が使われている場合
(2) 何が、どんなだ。 ⇒様子で表す 述語に形容詞・形容動詞が使われている場合
(3) 何が、何だ。 ⇒物の名前で表す 述語に名詞が使われている場合
(4) 何には、何がある。 ⇒所有を表す 述語に「~がある/いる」が使われている場合
「私」という事柄を説明するのに
「向かう」 という動作で表したり、
「眠い」 という様子で表したり、
「寝坊」 という人間の種類で表したり
「食欲がある/ない」という所有で表したり
4通りの表現の仕方が基本になっています。
この4通りの表現の仕方をまとめて「日本語の述語」と呼んでいます。
英語では、これらの述語と同じ働きをしている言葉は、主語の後ろで使われます。
英語でもいろいろな品詞の言葉を使うので、まとめて「判断語」と呼ぶようにしたのです。
このような4通りの表現の仕方があるのは、日本語の固有の性質でしょうか?
ここが、最も重要なところです。
どのような民族の言葉も、この4通りの表現の仕方がないと言葉はしゃべれないのではないでしょうか?

