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VSOP英語研究所ブログ

句動詞では、動詞は補助的な意味しか表さない:最終回

いよいよ、「動詞+副詞」の最終回です。

● 今回は、「 S is on 」を使って、説明してみましょう。

My wife was on at me for coming home late.
妻が文句を言ったのは、私に向かって、[それは]私の帰宅が遅かったからです。

be動詞は、「変化のない一定の状態」を表します。ですから
S was □□は、「Sが~[の状態]であった」という意味を表します。
それは、on が「ある物や出来事 (の表面)にくっついる」という意味を表すから
です。
on は、決して「上に」という意味ではありません。

S is on は、「S が、on している ⇒ Sが (ある状態に)くっついている」という
意味です。
at me は、at が「~一点に向かって[突っつく]」という「動き」を表しますから、

S is on at me. 全体で「私を非難する、文句を言う」という意味になります。

そして、この言い方が元になって、動詞+on at …という通常「熟語(句動詞)」
の言い方ができています。

My wife was going on at me for coming home late.
私の妻が文句を言い続けた私に向かって[攻撃するように]、[それは]私の帰宅が遅かったことに向かって。
My wife kept on at me for coming home late.
私の妻が文句を言い続けた私に向かって[攻撃するように]、[それは]私の帰宅が遅かったことに向かって。

go on や keep on のように動詞を組み合わせると
「on の状態が続いている」ということを表します。

ですから、どちらの表現も「文句を言い続けた」になります。

go on は「on の状態のまま動いていく」で「続いている」という意味になります。
go □□は「□□の状態で動いている」と言っているのです。
重要なことは、
go が、具体的に「行く」という意味を表していない
ということです。

そして、keep □□は「□□の状態が維持される」なの「続く」になるのですが、
どちらも「後ろの□□の部分が中心の意味」で、go や keep は「補助的な意味」し
か表していません。

go は「行く」という「具体的な意味の日本語」に対応していません。
「[~の状態で]動いていく」と言ったほうが適切な言葉です。
「~ていく」のような言い方は、日本語では「平仮名で書く決まりになってい
る『いく』(補助用言)」です。

go が、このような「漠然と動いていく」という意味を表しているということは、
My watch is not going[working].(私の時計は動いていません)
とか、
This machine goes well.(この機械はよく動く/性能がいい)
のような使い方からも分かります。

ちなみに、come □□も「□□に来る」ではなく、
「[□□の状態に]やってくる ⇒ □□になる」です。
ですから、Come on. は「来い!」ではなく
「on になるようにしろ!」という意味で、
「[その場で決まっている事態に]くっつけ!」という意味で使っています。

場面によって「来い!」と「続け!」などという日本語になりますが、
それだけでなく、いろいろな場面でいろいろな意味で使われます。
バイリンガル・スピーカーに言わせすると「[それ]行け!」という意味だそうです。

動詞も副詞も、そしてそれらを組み合わせた「熟語(イディオム)の意味」も、
漠然とした意味を表しおり、
「後ろの言葉(判断の対象語)」が意味の中心になっているのです。
日本語で丸覚えはできません。

ですから、「動詞」や「副詞」のコアの意味と、理解しておく必要があります。
go は「[□□の状態で]動いていく」、keepは「ずっと□□の状態を保っている」、
on は「□□ (の表面)にくっついて、付着して」のようにです。

そして、それらを「組み合わせて使う」という「英語の基本ロジック」を理解して
おく必要があるのです。

DSCF6732_Asagao.gif

ーーーーーー【まとめ】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★動詞+副詞のような「熟語(句動詞)」と呼ばれる言葉の使い方は、英語の基本
ロジックです。特別な「慣用表現」として覚えても使えるようになりません。
★動詞と他の言葉を組み合わせ使う使い方は、英語の「和語」にあたる基の表現
です。
この場合は、動詞は「補助的な働き」になり、後ろの「いろいろな言葉」が中心
の意味を表します。
★英語の基本表現は、「英語は動詞が中心」と思っていると理解不能になります。


ーーーーーー【追加の用例】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここで、さらにいろいろな動詞を、on at me の前で使って、
「動詞が補助的な様子を表している」ということを少し詳しく見てみます。

通常、go on や keep on のような使い方を熟語(イディオム・句動詞)と呼ん
でいます。
ところが、この言い方には、実は、変型表現がたくさんあるのです。

My wife was rabbitting on at me for coming home late.
私の妻が文句を[ウサギのようにべちゃくちゃと]言い続けたのは、私に向かって
[攻撃するように]、[それは]私の帰宅が遅かったことに向かってです。
My wife harped on at me for coming home late.
私の妻が文句を[ハープのように繰り返しくどくどと]言い続けたのは、私に向かって
[攻撃するように]、[それは]私の帰宅が遅かったことに向かってです。

rabbit は、もちろん「ウサギ」です。
harp  は、楽器の「ハープ(竪琴)」です。

さすがに、table (食卓) やchair(椅子)のように
「その動作が想像しにくい名詞」はダメなのですが、
英語は、「動作の様子が連想できる『名詞』を、そのまま『動詞』として使うように
なっています。

これは「動詞」と呼ばれている言葉が、「on at me」するときの「動作の様子を表す」
からで、「動詞が様子語」で、意味の中心を on at me が表すからです。

このような使い方が分かりにくいのは、
「動詞が中心、副詞は動詞の修飾語である」
という文法定義を、日本人が覚えさせられるからで、文法が理解を妨げるのです。

通常、このような用例は、もう、熟語(イディオム)とはされていません。
それは、このような使い方まで熟語(イディオム)にしてしまうと、
熟語(イディオム)が無限に増えてしまい、熟語帳に載りきらなくなるからです。

なぜなら、以下のような言葉も、on at me(私に[何かを言いに]くっつく)という
言葉を結び付いて、「何かを言い続ける」という意味で使うからです。

【 on at me の前で使っている用例のある言葉(動詞)】
※以下の言葉は元が動詞とは限っていません
・nag:   がみがみ言う
・rattle: ガラガラ・ゴトゴト音がする
・bang:  ドンドンと音を立てる
・talk:  話す
・ramble: ぶらぶらする、取り留めもなく話す
・rant:  わめく
・hammer: トンカチで叩くように強く~をする

これらの言葉も、「on at 人」 と組んで使われ、
「何か文句を言い続ける」という意味になります。

さらに
My wife kept going on at me for coming home late.
私の妻が文句を言い続けたのは、私に向かって[攻撃するように]、
[それは]私の帰宅が遅かったことに向かってです。

のように、keep going のように動詞を二つ重ねてon の様子を説明する場合も
あります。
動詞は「複数個重ねて使わない」と思っていると、英語は分からなくなります。

では、このような使い方を、私達日本人はどのように理解したら良いのでしょうか?

実に簡単なことなのはもうお気づきだと思います。

動詞が「判断の中心」ではなく、
後ろの「on(何かにくっついている)副詞」が中心の意味を表し、
動詞は、「『くっついている時の』様子」を説明している

と理解していれば良いのです。

動詞は、『副詞の状態になるときの、成り方を表しています』

「動詞」は、様子を表す言葉 ⇒ 様子語   補助的な言葉で、
「副詞」が、動作を表す言葉 ⇒ 動作語   判断の中心な内容語なのです。

このようなことを公に説明するのは、私自身にもある種の恐怖感があります。

なぜなら、英・米の(=世界中の)英文法で
Subject(主語)+Verb(動詞)+Object(目的語)
のように、「英語は動詞が中心」となっているからです。

けれども、VSOP英文法の礎を築いてくれたバイリンガル・スピーカーは、
この研究を始めた当初から
「『動詞は様子語』で、『副詞が動作語』ですよ」
と私に言っていました。
彼はニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちで、慶應義塾大学の英米文学科で
正式に英語学(英文法を含む)の勉強をした人です。
英語で詩を作り、現在ロサンジェルスで
「アメリカ初の日本人ロック・シンガー・ソングライター」
を目指してがんばっています。
もちろん、彼は今の英文法の分析手法は、学問的に十分に承知しています。
ある日、「彼が習っている英語の教授達が
『今の英文法は辻褄が合っていない』『学習英文法が間違えているのではなか?』と言っている」
と報告してくれました。そして
「『間違っているのに、代替案は、まだない』と言っていた」
とも、言いました。

その彼が
「動詞は様子語、副詞が動作語」と、私に当初言ったとき、
私は「まさか?そんなバカな!」と思いました。

当時、私はVSOP英文法の基本1文型:SVOPについては確立していましたが、
まだ熟語(イディオム)のロジックが正確に見えておらず、今の英文法の解釈法
しか持っていないので「英語は動詞が中心」と思っていたからです。
けれども、前記のようなことに気づき、彼の言ったことがやっと分かりました。

ネイティブ・スピーカーは「暗黙の内に、動詞の『後ろの言葉』を中心に日常表
現をしている」のです。

英文法が、Subject(主語)+Verb(動詞)+Object(目的語)と教えていても、
それはあくまでも学校で習う「学習英文法の中」の話であって、
彼らの持っている言語感覚は、「動詞の後ろの言葉を中心にして」使っているの
です。
日本人も、学校で習った日本語文法はほとんど覚えていませんが、
普通に日本語を使っています。

「文法はもともと後付の解釈法なので、母語人は覚えていない」のです。
現代において、文法が必要になるのは、ノン・ネイティブの学習のときです。

ノン・ネイティブが、理解しやすいような文法に切り替えなくてはいけません。

それが、VSOP英文法なのです。

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