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「S is 副詞の文」から「句動詞」へ [2] ー 動詞は補助語、副詞が中心語 ー

前回の「S is 副詞 [1]」で紹介した副詞の使い方を、少し詳しく説明します。
これからしばらく「句動詞」の説明をしていたいと思っています。

日本の英語教育の大きな問題点として、
普通の英語表現なのに、今の英文法では説明できないものがたくさんあることです。
特に口語表現は文法として教えられないので、納得せずに熟語(イディオム)として
丸覚えしています。

例えば、be afraid of ~(~を恐れる)や be late for ~(~に遅れる)や
be surprised at~(~に驚く)のように、be動詞と前置詞が組んでいるものです。

このような熟語(イディオム)の丸暗記が、日本人の英語力向上の妨げになっている
のではないかと思っています。

それは、「機械的に理由も分からずに覚える」という学習が、生徒に「思考の停止」
「学習からの逃避」という深刻な問題を引き起こしているのからです。

当会の都立の高校生の一人は
「学校の授業は、先生が教科書を読んで、訳して終わり。
生徒は皆寝ているか、塾の勉強をしているかどちらかです」
と言い、別の一人は
「『大学受験で覚えた英語は、大学に入ったら忘れた』と先輩が皆言ってまぁ~す」
と言っています。

「わけも分からず丸暗記して覚えたことは、記憶に残らないし、役に立たない」
のです。

VSOP英文法は、英語学習に起きているこのような深刻な問題を解決するため
に開発されてきました。

現在マスターコースをご受講頂いている英語教師志望の大学生の方から
「『英語順!しゃべれる英文法』の内容を中学できちんと教えておくべきだ」
とのご意見がありました。
私もそう思っています。

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この本では、
have、get、make、run、give、take、put、set、go、come などの「基本動詞」と
in, out, up, on, off などの副詞(的小辞)の組み合わさった、通常「句動詞」と
呼ばれている言葉の使い方に限って説明しています。

けれども、この本の内容を教えようとすると、学校教育の基準となっている
「五文型英文法」の考え方を元から変えなければならなくなってしまいます。

事はそう簡単には運びません。

とはいえ、一番重要な言葉の使い方が、英文法のせいで教えられていないのは
とても辛いことでもあります。

最近の傾向として、「現行の英文法で上手く説明できない表現」を、
ニュアンスとかフィーリング、イメージといった言葉で説明するのが流行って
いるようです。
別の国の言葉を説明するわけですから、一対一対応で訳すわけにはいかないわけ
ですから、これはこれで、十分素晴らしい役立つことかと思っています。

けれども、文法的説明にこのような言葉を使わなければいけなくなったのは、
現在の「動詞を中心に考えた英文法」が、「英語のロジックを適切に説明できない」
だけはないかとも思っています。

拙著「英語順!しゃべれる英文法」では、
★★★ 基本動詞の意味は一つ
★★★ 副詞の意味も一つ
で理解できることを説明しています。

つまり、句動詞は「基本動詞と副詞」のマトリクスが作れるのです。

これが作れたのは、
★★★ 句動詞の日本語的な意味を決めるのは「句動詞の後ろの言葉だ」
と気づいたからです。

★ 元になっているのは be +副詞 の表現です。

【 be+副詞の文】
a. I am out to make some friends in the office.
b. I am up for cakes anytime.
c. I am off to the mall now.
d. I am in with the chief as of now.

a. 私が外にいるのは、友達を作ることに向かって、会社でです。
※この場合の「会社」は、officeになります。
⇒ 会社で友達を作くろうとしています。
b. 私が上がっているのは、ケーキに向かって、いつでもです。
⇒ ケーキならいつでも食べられます。 ⇒ ケーキは別腹です。
c. 私が離れようとしているのは、[ショッピング]モールに向かって、今です。
⇒ [ショッピング]モールに出かけてきます。 ⇒ お買い物に行ってきます。
d. 私が中にいるのは、主任/課長と一緒に、今のところは です。
⇒ 今のところ、主任/課長と上手くいっています。

● be out、be up、be in、be off は、「話し手の判断」を表しています。
副詞は意味が漠然としているので、日本人に分かり難いのですが、
「S is 副詞」も「話し手の判断」を表しています。

● 副詞の意味
元の意味                  例文での意味
out [もとあったところから]外に出てくる    ⇒ 表明する
up [一定のレベルに]上がった状態になっている ⇒ 気分になっている
off [その場・状態から]離れようとしている   ⇒ 出発する
in 一定の状態の中に[入って]いる       ⇒ 上手くいっている

このような漠然とした言葉が「話し手の判断」で使われるのが英語なので、
文脈と状況によって日本語の意味が決まり、訳語がいろいろになります。

「文脈」とは、判断語の後ろで「判断の内容を表す言葉(対象語)」や、
その後ろに続く「叙述語(P)」が表してます。
ですから、out だけだったら「外に出ている」という意味しかありません。

また、「判断語」の後ろに言葉が無い「短い発話(=主語と判断語だけ)」では、
「その文が発話された状況」が「日本語の意味」を決めます。

ところが、日本の辞書や参考書では
「その文脈での限定された意味」だったはずの訳語が、そのまま
「その語や熟語(イディオム)の意味」
として書かれています。
ですから、場面状況の違いにより「山のような意味」が掲載されているのです。

そのようにたくさん書かれている「熟語(イディオム)の意味」の中から
取り敢えず「特によく使う意味」だけを覚えておこうとすると
状況や文脈が違う時には、まったく意味不明になってしまいます。
つまり、熟語(イディオム)の意味を覚えたことが、逆に理解不能に導くのです。

どのような場合でも英文の意味ができるようにするには、
「各々の言葉の大元の意味」と
「文の意味を作る英語の組み合わせのロジック」
を理解する必要があります。
これが文法です。

このような正確な英文理解を可能にしたのがVSOP英文法です。
その解決法は、
「英文は、S-V-O-Pという4つの文要素で組み立てる」という簡単なロジックです。

S が、V する/なる/であるのは、O に対してで  [それは] Pで です。

英語は、
S-V と、先に『話し手の判断』を言い、
O-P と、  『判断されている対象内容』を後で言う
言葉です。

先ほどの例文の「直訳」は、この英語のロジックに基づいた訳し方です。
変な日本語になりますが、英文の意味は伝わってくるはずです。
この訳し方を身に付けることにより、どのような言葉が使われていても
文頭から「英語順」のまま理解することが可能になります。

VSOP英文法は、英語の正確なロジックを解明した記述英文法であるととも、
読解・作文・会話といった現実使用に直結した、ハウ・トゥーでもあります。

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——-【本日のまとめ】———————————–

英語では、主語の直ぐ後ろの言葉(=判断語)に、
be out、 be in、 be up のような「漠然とした言葉」が使われます。

この事実は、日本人はなかなか受け入れにくいと思います。
実はこの部分は「名詞、形容詞」が使われている場合でも漠然としており、
「前置詞句」が使われている場合にはこの傾向は顕著になっています。
つまり「漠然とした判断を先に言う」という英語感覚(ロジック)を身に付けなくては
いけないのです。

他の言葉が使われる場合は、次回説明します。

基本動詞+副詞は、回を追って説明していきます。

【五文型英文法の弊害】
out、up、in、off のような副詞(的小辞)と呼ばれている言葉の使い方が
「5文型英文法が説明できない文法事項」の一番顕著な例です。

「副詞は、日常表現で最も重要」と言われているにも関わらず、現在は文法事項に
すらなっていません。

今の英文法はその説明を避けています。
副詞の使い方の基本は、S is out のように、be動詞の後ろで使われている形で、
これが元になって、get out、go out come out など、動詞+副詞の使い方が
あります。
このような「動詞+副詞」の使い方は「句動詞」と呼ばれていますが、辞書を
みると、それこそ「山のようにたくさんの意味」が書いてあります。
そして、どうしてそのような意味なるのか分からないものがたくさんあります。

今の英文法は、この形を理論上適切に説明できません。
★熟語(句動詞)の使い方は「文法として説明できない」のです。

このような英文がぱっと分かる方は、日本では通常「英語の達人」と呼ばれます。
それは、学習英文法では説明できないので、学習の中に組み込まれていませんから
学習者本人が血の滲むような苦労して、多くの英語体験を積まないと身に付きません。

ですから、このような表現を羅列して
「英語って、こんな言い方もするんですよ。知らなかったでしょう?」とか
「英語って奥が深いですね」というように教えている英会話の本や啓蒙書、ネット
ブログがたくさんあります。

また、句動詞の本として
「”英語のしくみ”が見える[基本動詞+前置詞]イディオム1000(プレイス)」
というクリストファー・バーナード教授のお書きになった素晴らしいものがあります。

この本の中では、動詞や前置詞(副詞)を「ネイティブ・スピーカーの持つイメージ」
として説明していらっしゃいます。用例も非常に多く「句動詞の辞書」と考えると
非常に良くできていると思います。

けれども、バーナード教授も「動詞が中心」「前置詞(副詞)は補助的な言葉」と
捉えていらっしゃる節があり、同じ言葉の組み合わせに対して「たくさんの意味」
が書かれており、日本の「英和辞典」の句動詞の欄と同じようになっているのでは
と感じます。
日本人が分からない「何故そのような意味になるか?」は、この本を読んでも
あまりはっきりしません。
結果として「1000の熟語(句動詞)」を一つの組み合わせに付き3~5個くらいの
日本語の意味を暗記していかなければならないような内容になっています。
けれども、あたり前ですが、これらは日常生活で子供でも使う普通の表現です。
これらの表現が日本人に「珍しい表現、難しい表現」となっているのは、
今の英文法で説明できないので、教えられておらず、馴染みがないからです。
今の英文法では、be動詞の後ろの言葉は、「補語」か「修飾語」となっています。
ここに副詞が使われている場合、その「言葉の働き」が適切に説明できません。

これらの副詞を「be動詞の補語」とか「be動詞の修飾語」とか説明されても、
日本人の感覚では、多分納得できないでしょう。
ですから、不自然な説明を避けるため教えないのです。
S is out、S is up、S is in、S is off が教えられない英語学習を130年間続けています。

英語教育は、英文法から常に強い拘束を受けているのです。

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